「公務員の武器」第4回目は「コミュニケーション能力」を取り上げます。
人との間で情報や意思を伝え合うのが「コミュニケーション」です。
「公務員の武器」第1回目で「調整力」を取り上げました。
調整力を構成するスキル(スキルセット)のうち、重要なもののひとつが「コミュニケーションスキル」です。
多様な利害関係に囲まれて仕事をする公務員にとって、調整力を支えるコミュニケーションスキルは重要で不可欠です。
基本的かつ重要なビジネススキルであり、コミュニケーション能力が高い人はどんな職場でも周囲の協力を得ながら仕事を進めることが期待できます。
当然、採用面接でも面接官とのやり取りを通じてコミュニケーション能力の高さを示すことができます。
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公務員の仕事の特徴に「関係者が多い」ことが挙げられます。
相手にする関係者の属性が異なれば、望ましいコミュニケーションの方法も異なります。
公務員が業務を通じて得る「コミュニケーション能力」は、多岐に渡る関係者に囲まれた環境で仕事することで得られ、民間企業への転職においてアピールできるビジネススキル・武器です。
この記事では、公務員の「コミュニケーション能力」が転職でどのように評価されるのか、具体的なアピール方法を解説します。
公務員としてのコミュニケーション能力の特徴
公務員の仕事におけるコミュニケーションの特徴は、
「コミュニケーションの相手がさまざま」であることです。
など、非常に広範です。
公務員として活躍するためには、相手に応じてコミュニケーションの方法を変えることが求められます。
コミュニケーションを分解すると、情報の方向によって「伝える」と「受け取る」に分けられます。
相手に応じて、それぞれの性質を使い分けながら意思疎通を図っているのです。
「伝える」
「話し言葉(会話)」「書き言葉(文字)」によって、相手にこちらの意図を伝えることは、仕事においても基本的なことでありながら重要で、そして難しいことでもあります。
コミュニケーションの相手は、誰もが同じ背景(知識・環境)を持つ訳ではありません。
そのため、相手に合わせて専門用語使用の是非、話す順序、コミュニケーションの手段を変えることが有効です。
多くの関係者と仕事をする公務員は、相手に合わせてコミュニケーションの方法を使い分けているはずです。
使い分けが出来ていない人は、どこかの属性の人と上手くいかないことが多いです
「受け取る」
コミュニケーションは、相手の「伝える」を自分が「受け取る」ことも重要です。
公務員が情報を「受け取る」際に用いるのが、「傾聴」のスキルでしょう。
「傾聴」は相手に「聞いてもらえた」と思ってもらうことで、相手の核心を引き出したり自分を信頼してもらう効果があります。
行政への電話は、住民からの苦情も多いです。
大々的に委託するような事業以外は、行政に「カスタマーセンター」はありませんので、業務担当者が苦情電話を直接受けることになります。
苦情は至極真っ当なものから、的外れなクレームまで他種多様です。
こうした苦情に対して、その後に改善できることはあっても、通常その場で問合せ者に何かをしてあげられることは少ないので、傾聴に徹することになります。
しかしながら、ただ「傾聴してやり過ごす」だけではいけません。
傾聴の結果、相手から信用されることで情報を引き出したり、譲歩を得ることが必要です。
傾聴を「やり過ごす手段」ではなく、信頼を得た後で「情報を引き出す」ことに活用し、業務の改善を図らなければいけません。
コミュニケーション力を必要とする仕事は、誰が担当するかで結果が大きく変わります。
傾聴して主訴を的確に把握し、次のアクションを提案できる人は強いですね。
コミュニケーションスキルの転職活動におけるアピール方法
「コミュニケーション能力がある」は自慢げ?
あなたが面接官だったとします。
面接官として「あなたの強みを挙げて頂けますか」と応募者に尋ねたところ
私の強みはコミュニケーション能力です
と回答してきたら、どう思いますか?
「私、コミュ力あります」ですからね。
正直ちょっと鼻につきますよね。
もしかすると、大らかで真面目な面接官かもしれませんから、気にしなくても良いかもしれません。
しかも、面接という企業と求職者のコミュニケーションの場です。
デートで「口説くのが得意なんだよね」と言っているようなものです。
コミュニケーション能力をアピールしたい場合も
「コミュニケーション能力があります!!」
とは言わない方がよいでしょう。
どうアピールする?:具体的事例を挙げる
では、どのようにコミュニケーション能力をアピールすれば良いでしょうか。
提案したいのは「“問題解決能力”に言い換えてしまう」ことです。
具体的には「コミュニケーションによって問題解決し成果を上げたエピソードをアピールする」ことを目指します。
これまでの職務経験で
「成果を上げた」要因に「関係者とのコミュニケーション」がなかったか探してみましょう。
その次に、「どのように工夫したのか」を振り返ります。
・「これまで敬遠しがちだったところを、自分が担当になってから直接合って何度も話した」
・「話における事実、要求、感情を整理して、相手を責めることをせずにこちらの主張をした」
・「傾聴に徹した後、信頼を得ることに成功した」
などです。
どう改善したのか?
コミュニケーションにおいて工夫した事項を見つけたら、「問題解決に向けてとった方法」としてコミュニケーションの工夫を話します。
「これまでの対応を見直したところ、「直接の対話」をしていなかった。
⇒前任者や上司の話を聞いていても信頼関係(ラポール)が築けていないと判断
⇒「直接こちらが出向いて対話すること」を意図的に増やした。
といった具合です。
コミュニケーション能力があったおかげで達成したこと、があるはずです。
目の前のコミュニケーションに集中する
上記のように事例を基にアピールをしても、面接、すなわち目の前のコミュニケーションが疎かであれば説得力のかけらもありません。
面接の問答は練習できますが、仕事でのコミュニケーションはいつでも準備が可能ではありません。
とっさのコミュニケーションが求められることも多いです。
また、面接を通じて「コミュニケーションスキル」をアピールしようとする際、いわゆる「陽キャラ」である必要はありません。
落ちつきのある人でも、発言の内容や聞く姿勢から相手の言葉を引き出し、安心感を与えることでコミュニケーションを円滑にしている場合もあります。
まとめ
この記事では公務員の「コミュニケーションスキル」について解説しました。
コミュニケーションによって意思疎通や互いの利害を調整して物事を進めるのは、ビジネスの基本とも言えます。
そのため、公務員が多様な関係者とコミュニケーションを取りながら仕事をした経験は、様々な職種に活かすことが可能です。
公務員から民間企業への転職にあたっては、自分自身の得意とするコミュニケーション領域を見直して、業界・職種を選ぶ要素にしても良いかもしれません。
自分自身の強みと、業界・職種のマッチングには転職エージェントを利用することが近道です。世の中には多くの転職エージェントサイトがありますが、公務員から民間企業への転職にあたっておすすめの転職エージェントを以下のページでまとめています。是非ご覧ください。
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