- 一度民間企業で働くことのメリット
- 民間から再び公務員に戻った際に気を付けたいこと
公務員から転職したい。でも、行政に関わりたい気持ちもある。
どうするべきなんだ!!
これから就活だけど、民間も公務員のどちらかに絞れないな
公務員も「新卒で入ること」だけが方法ではない。
終身雇用制度が全盛であったときは、公務員になるには新卒で入ることがほぼ唯一の選択肢でした。
しかし昨今では、採用人数は新卒と比較して少ないものの中途採用も一般的になりました。
社会の働き方・キャリアに対する環境・意識の変化に応じて、職業としての公務員も、採用方法が変わってきたのです。
例えば、国家公務員の採用者に占める中途採用(経験者採用等)の割合は、令和3年度で16%(※)です。
(※)国の機関等における一般職の国家公務員の中途採用比率
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/pdf/20221014_chutosaiyou.pdf
まだまだ少数派ですが、複雑化・多様化する行政ニーズに対応し、政策を企画・立案・実行していくために、民間企業で色々な経験をした人材を集めていることが分かります。
新卒偏重である公務員への採用も、これから中途採用が一層重視されるでしょう。
そうすると、現在公務員でも「一度民間企業に転職し、いつか再び行政に戻る」という選択が可能になる日が近いかもしれません。
現在でも、内閣官房のHPに退職した国家公務員が公務に復帰するための支援窓口があります。
そこで今回は「公務員に新卒で入らない」ことについて解説していきます。
あえて新卒採用時に公務員を避けることで、いろいろなメリットが考えられます。
この記事はこんな方におすすめです。
- 公務員から転職しようか悩んでいる方
- 転職活動をはじめたものの、行政の仕事も捨てがたいと思う公務員の方
公務員から民間に転職するメリット
実務経験者の説得力・人脈
民間企業の事業活動も、突き詰めると、社会・個人の課題を本人に代わって解決して対価を得ています。
「社会・個人の課題を解決する」という点は、行政に共通します。
しかし、ある分野の課題を「直接感じる」点では、民間でビジネスの現場を経験することも有効です。
特定の業界・職種の実務経験を積むことで、行政にいては分からない現場の実情が分かるのです。
多くの業界の事業活動は、良くも悪くも行政による公法上の規制や助成の有無に影響されます。
実情を知っている人が制度・ルールを作る側に回ることで、その経験が活かすことができます。
また、施策の実行には業界関係者の協力が必要なこともあります。
目立った施策も、実際には泥臭く関係者との関係構築が必要であったりするので、関係者のツテを活かせると強いです。
ゼネラリスト化の回避
個人のキャリアに注目した場合も、特定の分野の民間経験をアピールして採用選考を進むことで、これまでの職歴と関連のある部署・業務への配属が期待できます。
例えば、IT企業の勤務経験があれば情報システム部門や行政改革の部門、ゼネコン勤務の経験があれば建築の部門といった具合です。
このことによって、公務員の欠点でもある「ゼネラリスト化」を避けることができます。
確かに、幹部級を目指す場合は所掌事務の範囲が広くなるのでゼネラリストの要素が必要です。
しかし、部課所長クラスまでであれば、関連領域内の担当業務に就き続けることが期待できます。
また、公務員から民間に転職する際も、担当業務・職歴に一貫性があるので、職歴を活かした転職先を見つけやすく、アピールもしやすいです。
その結果、官民両方の経験に基づく転職市場での価値を見出しやすくなるでしょう。
キャリアの保険
少々後ろ向きな理由ですが、現実は厳しいものです。
民間企業に勤めていても「出世の天井」「役職定年」が見えてくる場合があります。
このとき、その業界経験が行政で重宝されるようであれば、キャリアの終盤に官公庁に戻りキャリアの最後を迎えることもできます。
例えば、勤務する企業の業界が行政による規制を受ける業界であれば、自分が規制監督庁に入り、自分の経験を指導等に活かすことも可能です。
例えば、外資系金融機関で役職定年が見えてきた人が、金融庁に入庁して出世していった同期・後輩をいじめると共により良い金融行政を目指すことだってできます。
ただし、業界の利益誘導にNOと言えるか
以上のように業界経験があることは実情を熟知しているなど良い側面があります。
しかし、逆に「業界の人脈」に飲まれてしまう恐れもあります。
本当は行政側から業界を良くしようと思っていたにもかかわらず、気付いたら業界関係者の手先になってしまっているケースです。
○○君、あの件は絶対認められないって課長に言っておいてよ
はいっ、わかりました!!
課長~…
業界関係者は何とか自分たちに有利な環境を作ろうと、行政にロビイング活動を行います。
そうした提案は、もちろん結果的に社会全体にとってプラスになれば良いのですが、施策による利益が社会のとあるスポット(業界)に偏りがちなことがあるのも事実です。
この時に「世の中のためであるかのように言っているが、業界が儲けるだけだ」とNOを言えることが、民間経験を活かして公職を目指すための条件でしょう。
公務員である以上、その一線は譲らない胆力を持っていてほしい。
私は、一線を易々と譲る人間の多さには嫌気が差した思い出がある。
まとめ:
この記事では、民間経験を経て再び公務員に中途で入ることについて解説しました。
- 民間を経験するメリット
-
- 実務経験者の説得力・人脈
- ゼネラリスト化の回避
- キャリアの保険
- ただし、業界の出先機関にならないこと
-
行政側から業界を良くしようと思うなら、業界関係者の手先にならないこと
現在公務員の方も、一旦民間に転職し、自分の専門性を高めたり経験を積んだ後で関心のある領域の公職に再度就くことも、これからは現実的な選択肢になっていくでしょう。
公務員が民間転職する際には、転職サイト・転職エージェントに登録し、キャリアカウンセラーや転職エージェントからの支援を受けることがおすすめです。
職務経歴書の作成や、面接対策のサポートを受けることが出来ますので、是非活用してみてください。
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