【公務員から転職するときの退職の伝え方・手続き方法】円満に辞める方法とコツを解説

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悩める公務員A

面接も何社か順調に進んでいるし、辞めるときのことを考えないとな…
いつまでに辞めることを言えば良いんだろう?

悩める公務員B

周りに辞めていく人もあまりいないし
いつ頃にどうしたらよいか分からないな…

テンショクノヤクニン

私の経験も踏まえて
おすすめの方法・時期を紹介する

転職活動が進んできたら、入社時期を決めるために退職の手続も考え始める必要があります。

そこで、この記事では公務員が退職するときの疑問を筆者の実例を交えて紹介します。

この記事を最後までご覧いただくと、以下のことが分かります。

この記事でわかること
  • 公務員を辞めるときの手順と時期
  • きれいに辞めるためのコツ

この記事は、こんな方におすすめです!

・転職活動中の公務員の方
・これから転職活動を始めようとしている公務員の方
・転職も視野に、今後のキャリアを考えている方

去ることになる職場とはいえ、
辞め方や引継ぎの方法によっては職場に必要以上の迷惑をかけ、結局は行政サービスの提供に影響を及ぼすことになります。

辞める日までは公務員ですので、次の職場を優先しつつも最大限配慮をした対応を心がけましょう。

目次

いつまでに退職の申し出をするべきか

規定上の期限は「組織による」

公務員の退職手続は、各組織の規定によって定められています。

例えば国家公務員の場合、職員の辞職は国家公務員法第61条に規定されています。
同条では、職員の辞職は人事院規則に委ねられています。

国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)
(休職、復職、退職及び免職)
第六十一条 職員の休職、復職、退職及び免職は任命権者が、この法律及び人事院規則に従い、これを行う。

人事院規則8-12では「任命権者は、職員から書面をもって辞職の申出があったときは、特に支障のない限り、これを承認するものとする。」とされています。

この条文では具体的な期限は明示されいません。

人事院規則八-一二(平成二十一年人事院規則八―一二
(辞職)
第五十一条 任命権者は、職員から書面をもって辞職の申出があったときは、特に支障のない限り、これを承認するものとする。

地方自治体の例も見てみましょう。

例えば東京都の場合
東京都職員服務規程第14条で
退職しようとする日の10日前までに退職願を提出しなければならない」とされています。

東京都職員服務規程(昭和47年4月1日 訓令第122号)
(退職)
第十四条
 職員は、退職しようとするときは、特別の事由がある場合を除き、退職しようとする日の十日前までに、退職願を提出しなければならない。

したがって、形式的な手続期限は「各組織の定めによる」ことになります。

現実的な退職手続の期限は?:最終出勤日から1か月半~2か月前がベスト

いわゆる「円満退職」を目指す場合
前述の東京都の規定のように
「退職しようとする10日前」に辞めることを伝えたのでは遅すぎることは、誰でもわかるでしょう。

退職手続はビジネスライクな対応をすることで問題はありません。
しかし、これまでお世話になった職場に対し、誠意を持って退職の手続に臨みましょう。
(転職先や自分自身に必要以上の不利益・負担をかけない範囲で)

退職の報告・申し出は「最終出勤日の1か月半~2か月前」がベストです。
早すぎても遅すぎても、良いことはありません。

退職を報告した瞬間から「近い将来の部外者」になります。
在職中は1人の職員として業務上必要なコミュニケーションは行われますが、退職予定日以降の業務の話になると何とも言えない気まずい雰囲気になります。

このため、退職の報告が早すぎても良いことはありません。

反対に、退職の報告が退職日に近い場合、例えば最終出勤日まで1か月を切っている場合だと、後任の配置が難しくなることが考えられます。
後任の配置が難航したり、最悪後任の配置が遅れた場合は残される職員にも負担を強いる可能性が高まります。

こうしたことを考慮すると
退職の報告は「調整によって後任の配置が可能な時期」かつ「早すぎない」時期が適切です。
具体的には「最終出勤日の1か月半~2か月前」です。

退職日から考えると、有給休暇の消化日数にもよりますが「退職の2~3か月前に報告」することになります。

いつまでに退職の申し出をするべきか?】
形式上の期限は組織によって異なる。(ex.国家公務員:規定なし、東京都:10日前までに退職願)
実際には最終出勤日から逆算して、1か月半~2か月前がベスト

公務員の辞め方:退職手続きの流れ

退職手続きは以下の通りに進めましょう。

  • 退職の意向を上司に言う
  • 上司の上司(所属長)まで退職について了解を得る
  • 引継ぎの時期方法を上司と決める
  • 引継ぎ資料を整理する
  • 退職願を提出する⇒退職日の日付で承認される
  • 退職辞令交付・健康保険証、職員証などの返還

順番に解説していきます。

退職の意向を上司に言う

【退職の意向を上司に言う】
▶どんな方法でも良いので「相談したいことがあります」と伝え、別室で話す機会を得る
▶時期は、目標にする最終出勤日の1か月半~2か月前がベスト。早すぎても遅すぎても良いことがない。

最初のステップにして最も心理的ハードルが高いのが「辞めることを上司に報告する」ことです。

特に初めての転職の場合、
「○月末で退職しようと考えています」
の一言を切り出すだけなのに相当躊躇してしまいます。

しかし、次の職場が決まっている場合は、そちらが優先です。
遅かれ早かれ勇気を振り絞り言う必要があります。
報告が遅くなっても現在の職場にとって良いことはありませんので、早めに切り出しましょう。

まずは、「相談したいことがある」とだけ伝えましょう。
上司の人間性に問題がない限り、執務室ではなく別室などのプライバシーが確保された環境で話を聞いてくれるはずです。

筆者が辞めるときは、職場でチャットツールでの連絡が浸透していたので、上司にチャットで都合を確認して別室で話す時間をもらいました。

テンショクノヤクニン

Enterボタンを押したときには、全身が震えたのを覚えている。

なお、一般的にこの時点で退職願を用意しておく必要はありません。
ここは、退職の処理をしてもらうための「根回し」の段階であるからです。

所属長まで報告し了解を得る

【所属長まで報告し了解を得る】
▶公務員は「辞職願」を提出し承認されることで辞めることができる。
▶そのために、辞職手続の関係者への根回しが重要。
▶所属長(課長・所長など)にまで退職の意向を報告し了解を得られたら、指示に基づき事務手続に移行する。

直属の上司に報告した後は、さらにその上司(課長・所長など所属長)に退職の意向であることを話すことになります。

ところで、公務員の退職は「退職願(組織によって名称が異なる)」が受理され、辞職が承認されて辞めることができます。
そのため、「円満退職」の観点からは、上司や人事部門に事前に話を通しておく「根回し」が必要です。

所属長に報告し、理解を得られたらまずは大きな山を超えたことになります。
後は、事務手続きと業務引継ぎをきちんとこなすだけです。

筆者の場合、課長は非常に残念がってくれたが辞める決意が固いことを伝えると理解してくれました。

引き留めにあったら?

【引き留めにあったら】
▶引き留めがあった場合も、基本的に応じるべきではない。
▶強い引き留めに対しては、日を置いて断っても良いが長引かせないこと。

ここでの問題として、
「こちらが想像していた以上の強い引き留め」にあうことが想定されます。

一緒に働き、時には助けてもらった上司から引き留められると、嬉しい気持ちや罪悪感など様々な感情が沸き上がります。
真面目に組織に貢献してきた人ほど、気持ちが揺らいでしまうのはやむを得ないでしょう。

しかし、十中八九その上司は「世の中に数多ある企業のポジション」と「退職者の中長期的キャリア」を総合的に勘案して現職に引き留めているのではありません。
「自分にとって」「自分の所属にとって」しかも「短期的に」都合が良いから引き留めているにすぎません。

しかし、こちらから「最後のカード」とも言える退職を申し出た以上、引き留めにあったからといって退職を撤回することはお互いに気持ちよいものではありません。仮に思い留まった場合は、以前と同じには戻らないと考えるべきです。

次の転職先が決まっているのであれば、引き止めはありがたく拝聴しつつ、強い意思を持って断りましょう。

どうしてもラチが開かない場合は、「少し検討します」と一旦引いてみるのも良いです。
上司としても「一旦考えてもらうことになった」と”実績”が作れます。

ただし、引き留めのやり取りは短期決戦が重要です。晩寝かせて翌日には改めて断りましょう。

引継ぎの時期・最終出勤日を上司と調整する

【引継ぎの時期・最終出勤日を上司と調整する】
▶次の職場の入社時期と有給休暇の取得希望から最終出勤日と引継ぎ時期を調整する。
▶現在の職場に配慮しつつも、次の職場が優先
有給休暇は最低2週間は取得するべき。現在の職場の「空気感」を取り除くことが目的。

退職について必要な人に説明し了解が得られたら、引継ぎの時期を決め準備します。

引継ぎの時期は有給休暇の消化予定及び最終出勤日との兼ね合いがあるので上司と相談し、出来る限り現在の職場に配慮しましょう。

ただし、転職先が決まっている場合、現在の職場の都合よりも転職先での都合が優先します(現職の規則に抵触しない範囲での話)。

いくら「円満退職」を目指すとはいえ、誰にも迷惑をかけない退職はありませんので、引継ぎ時期・最終出勤日はビジネスライクに・ドライに対応しましょう。

有給休暇の消化について「現在の職場でギリギリまで働くことで誠意を見せる」考えもあるかもしれませんが、筆者はあまりおすすめしません。

有給休暇は労働者の権利であることはもちろん、何より次の職場に現在の職場の「空気感」を持ち込まないためにも一定期間現在の職場から離れることが良いと思います。

前の職場のことを引きずっているようでは、新しい職場で自ら「異分子」になるようなもので、成長の機会を失ってしまいます。

具体的に有給休暇は最低でも2週間以上取得することがおすすめです。
金曜日に最終出勤して翌月曜日から新たな職場に行くようでは、心身ともに準備不足になりがちです。

引継ぎ資料を整理する

【引継ぎ資料を整理する】
人事異動の引継ぎよりも詳細な引継資料を作成する。
▶日ごろから引継書を更新することが、内容面でもモチベーション面でもおすすめ。

引継ぎの資料は異動のときよりも詳細に作成すると良いです。
退職後は「部外者」になるので、機密性の高い情報を話す相手ではなくなるためです。

なお、転職が決まっていない読者におすすめしたいのが「日ごろから引継書を作成する」ことです。

いざ引継書を作成しようと思っても、事務担当者だから知りたい細かいことを思い出せず、対して使えない当たり障りない概要を陳列した資料になりがちです。

そのため、出来事のメモとして引継書を活用し、細かい事案に対してどのような理由からどのような対応をしたのかを書き残しておくと後任者にとって心強い資料になります。

退職願を提出する

【退職願を提出する】
▶定められた方法で退職願を提出する。
▶交付される退職辞令は破り捨てない。

人事部門にも退職の話が通った後は「退職願を提出してください」となるので、指示通りに作成し提出しましょう。

提出間近になると急に寂しくなったりもしますが、退職を決意したときの気持ちを忘れないようにしたいですね。

筆者の場合、退職願の提出は電子で行うことになっていたので、Excelのフォーマットに入力し、上司に送信して終了した。
キレイな便箋に「一身上の都合により…」と書く経験をすることなく終わってしまいました。

提出した退職願は、所定のルートで決裁を得られたら退職辞令が交付されます。
退職辞令は任命権者を発信者として「○年○月○○日付での辞職を承認する」と書かれています。

この退職辞令ですが、清々しい気持ちから破り捨ててしまいたいところですが、やめましょう。
退職辞令は退職した証明書類としてその後の手続きで必要になる場合があるので保管しておきましょう。

周囲への報告と最終出勤日

【周囲への報告と最終出勤日】
▶近い人物から順に退職を報告する。
▶同じ職場でなくなっても、友人として付き合える人を大切にすべき

退職を報告する順番は、日ごろの関わりが強い人から順に行うとよいでしょう。

まずは、同じグループのメンバーに退職を報告しましょう。
退職後、たとえ後任者が補充されるとしても最初は周囲のカバーが必要であるので、きちんと誠意を示しましょう。

他部署の知り合い等には、その後好きなタイミングで報告すれば良いでしょう。

筆者はどちらかというと退職ギリギリに報告しました。理由は、大々的に送別会を開催されたりすることを望んでいなかったためです。
同じ職場でなくなっただけで一切の連絡が途絶えるのであれば、結局それまでの関係にすぎないと考えています。
退職以降は友人として付き合えば良いと思います。

筆者の最終出勤日は、当時思わぬ国の補正予算事業が始まってしまったこともあり、結局22時頃まで仕事をしていました。(多くの人が挨拶に来ていただいたこともあり)

庁舎を出るとき、顔見知りの守衛さんに「まだまだ若いから何でも出来ますよ。頑張ってください。」と背中を叩かれて職場を去ったのは良い思い出です。

最終出勤~退職日:職員証などの返還

【最終出勤~退職日:職員証などの返還】
▶健康保険証や職員証は退職日まで使用する。
▶返還方法を最終出勤日までに調整しておくとよい。

最終出勤日以降も職場との関わりを完全に断つことはできないので注意が必要です。

雇用先が変わることで、加入する健康保険組合が変わり保険証も変わります。
退職日までは公務員の共済組合の保険証を使い続けることになり、退職日以降に返還の必要があります。

また、職員証も最終出勤日~退職日の間も公務員の身分であることに変わりはありませんので、一応所持している必要があります。

退職日までの間に有給休暇を取得する場合は、これらの返還を誰にどのような手段で行うかを最終出勤日までに調整しておきましょう。
可能であれば、書留郵便など追跡可能は方法で郵送することがスマートです。

まとめ

この記事では、公務員を辞めるときの方法・手順を解説しました。

公務員を辞めるときの手順・方法
①上司に退職の意向を報告する

どんな方法でも良いので「相談したいことがあります」と伝え、別室で話す機会を得る。
時期は、目標にする最終出勤日の1か月半~2か月前がベスト。早すぎても遅すぎても良いことがない。

②上司の上司(所属長)に退職の意向を報告し了解を得る

公務員は「辞職願」を提出し承認されることで辞めることができる。
そのために、辞職手続の関係者への根回しが重要。
所属長(課長・所長など)にまで退職の意向を報告し了解を得られたら、指示に基づき事務手続に移行する。

③「引き留め」への対応

引き留めがあった場合も、基本的に応じるべきではない。
強い引き留めに対しては、日を置いて断っても良いが長引かせないこと。

④引継ぎの時期・最終出勤日を上司と調整する

次の職場の入社時期と有給休暇の取得希望から最終出勤日と引継ぎ時期を調整する。
現在の職場に配慮しつつも、次の職場が優先。
有給休暇は現在の職場の「空気感」を取り除くために最低2週間は取得するべき。

⑤引継ぎ資料を作成する

人事異動の引継ぎよりも詳細な引継資料を作成する。
日ごろから引継書を更新することが、内容面でもモチベーション面でもおすすめ。

⑥退職願を提出する

定められた方法で退職願を提出する。
交付される退職辞令はその後の諸手続で必要になることもあるので保管する。

⑦周囲への報告と最終出勤日

近い人物から順に退職を報告する。
同じ職場でなくなっても、友人として付き合える人を大切にすべき。

⑧最終出勤~退職日

健康保険証や職員証は退職日まで使用する。
返還方法を最終出勤日までに調整しておくとよい。

退職は現在の職場にとって1人の戦力がいなくなることです。そのため、完全に迷惑をかけない退職はありえません。
しかし、退職にあたっても誠意・配慮をもった行動を取れるかどうかで、周囲の反応は大きく変わります。

公務員の職場で関係した人たちが、今後の人生で一切の関わりがないとも限りません。
一人のビジネスパーソンとして、誠実な退職をしましょう。

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