- 公務員(公務員志望者)の民間企業の仕事に対する誤解
- 「利益を追求しない仕事」を志望理由にするのがダメな理由
- 公務員が民間企業でも通用する理由
利益を追求しないで仕事ができるから公務員になりたい!!
民間企業は結局利益のため。利益にとらわれず社会に貢献したい。
公務員は利益を追求しない…確かにそうだが、少し視野が狭いぞ
仕事に公務員を選ぶ理由としてよくあるものに
「営利・利益を追求しない仕事だから」
があります。
確かにそのとおりです。
しかし、公務員(志望者)が仕事に公務員を選ぶときにこの理由を挙げるとき、2つのことを露呈してしまっています。
・公務員として良い成果を挙げるとは考えにくいこと
・民間企業に対する理解に乏しいこと
社会に貢献したい雰囲気を出しながら、
実は無駄に予算を垂れ流す存在になってしまう恐れがあります。
そこでこの記事では、
「利益を追求しない仕事」
を理由に公務員になる・公務員を続けることが
ダメな理由などを解説します。
- 公務員から民間企業に転職しようか迷っている方
- 就活生のうち、公務員か民間企業かで迷っている方
- のんびり公務員で働きたいと考えている方(喝!!)
自分自身の働き方や、
今後のキャリアを考える参考になるので、
是非最後までご覧ください!!
営利企業に対する公務員の誤解
営利企業が利益を追求する過程
民間企業が自社の事業で利益を得るには、何が必要でしょうか。
当たり前ですが「売上」です。
すなわち「商品が売れる」必要があります。
売ることって大変だから、自分は向かないと思って…
今の時代「商品を売る」っていうのは、根性で営業することじゃないぞ。
商品を売るのは、大変なことです。
商品が認知され、他の商品と比較し、本当に有益か吟味された後で、やっと購入に至ります。
また、良い商品を作っても、その商品の必要性を感じている人が少なければ、広告を出すなどして潜在的な需要を掘り起こす必要があります。
その商品は「誰かの問題を解決する」必要があります。
一言で「問題を解決する」と言っても、企業は限られた資金の中で、ニーズの調査・商品開発・製造をしなければなりません。
作った後も、効果的な方法で販促をして、商品が目に入った人の購入確率を上げる必要があります。
営利企業は何を売っているのか?
民間企業は、何かを売って利益を得ています。
では、一体何を売っているのでしょうか。
例えば、化粧品メーカーであれば化粧品を売っています。
ユーザーがその化粧品をなぜ買うのかというと、「キレイな肌になりたい・乾燥を防ぎたい」等の願望があり、化粧品の価格(費用)でそれを実現できるのであれば、お金を出して解決したいからです。
つまり、商品を通じて
「問題解決の手段」を売っているのだ。
化粧品を買おうとするとき、ユーザーはこのように考えています。
「化粧品の購入費用」≦「化粧品から期待される効果」
つまり、ユーザーにとって何ら損をすることをしていません。
ユーザーは、購入の費用をかけてもその化粧品を使用することによって、購入費用以上の満足が得られると思っています。
2,000円で透明感のある肌が手に入るなら喜んでお金を払ってもらえるということだ。
その化粧品と同等の効果もつ化粧品を自分で作ろうとすると、一般の販売ルートでは手に入らない薬品が必要だったりするので、化粧品を買ってしまうことが最も低コストという訳です。
2,000円の化粧品と同等の効果を得るために
自分で薬剤を揃えたりするくらいなら、買った方が費用的にも時間的にも効率が良い。
さて、公務員(公務員志望者)が「利益を追求せず仕事をしたい」と回答する理由に、「儲けるために無理やりにでも売ることが嫌」というものがあります。
確かに、強引または騙して商品を売った場合、ユーザーは、以下のようになります。
「化粧品の値段」=「化粧品から期待される効果」+「面倒な営業を終わらせる利益」
つまり
「化粧品から期待される効果」=「化粧品の値段」ー「面倒な営業を終わらせる利益」
問題解決に負担したい費用以上にユーザーからお金を受け取ることになってしまいます。
確かにこれでは、「面倒な営業を終わらせる利益」の分だけ購入者に損をさせているので、こうした仕事には関わるべきではありません。
しかし、民間企業の多くは「問題解決の方法」をターゲットに刺さる内容・価格を研究して商品化してこれを売ることで利益を得ています。
強引に売らないとと売れない商品は、
遅かれ早かれ市場からの撤退を余儀なくされるだろう。
逆に、強引または騙してでないと売れない商品は、遅かれ早かれ、「全く売れない」もしくは「会社に悪評が立つ」等していつしか無くなってしまうでしょう。
民間企業も、売上によって利益を得ることはしています。
しかし、商品を通じて何らかの「問題解決をしている」点は行政の仕事に共通しているのです。
モノを売った経験があれば分かることだが、
よくあるものをよくある値付けをして世に出しても売れない。
ユーザーの問題解決を訴求する必要がある。
「利益を追求しない仕事」を期待する公務員は「悪」
行政の仕事は、水道事業や公営ギャンブル等税収の補填等を目的としたものを除き、利益を追求する仕事ではありません。
行政の役割は法律や議決された予算の範囲内で行政サービスの提供を通じて「社会課題の解決」をすることです。
行政権の執行を補助する公務員の役割は、配分された予算の範囲内で施策を実施して、社会課題を解決することが求められています。
施策に使用できる予算は限りがあります。予算の範囲内で、最大の効果を挙げる方法を採らなければなりません。
そして、こうした考え方は、民間企業が商品開発をする工程に似ています。
民間企業も、商品を売るために
「ニーズ(問題)の把握」
「解決方法の検討」
「商品開発」
「ユーザー・環境にあった販促」といった工程を経ています。
公務員の施策立案と、民間企業の商品開発を大まかに比較すると以下のようになります。
施策の立案・実行 | 公務員商品開発・販売 | 民間企業|
---|---|---|
問題の把握 | ○ 議会質問・クレーム・報道等 | ○ 市場調査など |
解決方法の検討・開発 | ○ 施策立案・予算要求 | ○ 商品開発 |
リリース | ○ 事業の施行 | ○ 発売 |
改善 | ○ 制度改正 | ○ 商品リニューアル等 |
ユーザーの負担 | なし (税で間接的に負担) | あり (購入代金を負担) |
つまり、最終的に売上を得る違いはあれど、公務員の「施策」と民間企業の「商品」は、出来上がる過程で似ている点があるのです。
過程が似ていることは分かりましたが、両者の違いは何でしょうか?
お客さんが事業・商品の費用を払うかどうかだ。
民間企業は商品の販売を通じて売り上げを得ていますが、
行政の事業も、「間接的」に住民が税等で費用を負担しています。
そのため、公務員の事業も民間企業の営業活動も
「対価を得て問題解決を提供する」ことは共通しています。
行政の費用徴取(税)は法定されており、
徴収額に対する内訳の明示(民間企業で言う領収書の明細)がないだけです。
以上から、「営利を追求しない仕事」を行政で働く理由に挙げることは、
- 施策(商品)の立案(制作)過程に対する責任を負いたくない
- 効果が良くわからないけど、なんとなく社会のためになっているような事業をやりたい
と言っているに等しいことがわかります。
そうした公務員は、組織にとっても世の中にとっても「悪」でしかありません。
効果的な施策を実施するためには、
民間企業が商品開発する過程と同じような考えが必要ということか
そのとおり。「営利を追求する仕事」がまるで詐欺まがいの商売をしていると勘違いしてはいけない。
責任ある仕事をする公務員はどこでも働ける
公務員が真に有益な施策を行うときの過程は、
民間企業でも必要とされる過程です。
そのため、公務員であっても
「財源の制約」「住民のニーズ」「社会全体の効用」
を考えて施策を実行した経験は、
民間企業でもそのエッセンスを活かすことができます。
「営利を追求する場合」と同じように
「どうすれば解決できるか?」
を考え抜かなければ、
予算を垂れ流すだけの仕事をするだけです。
「営利を追求しない仕事」を望む人は、
「営利を追求する過程に無知」か「仕事に対する責任を負いたくない」のどちらかです。
「利益を追求しないから公務員」ではなく
「○○に貢献したいが、自分にベストな立ち位置が公務員だった」という人が増えれば、行政も良くなるだろう。
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まとめ:「利益を追求しない公務員」を辞めよう
この記事では、公務員として働く理由でよくある
「利益を追求しない仕事」について解説しました。
- 利益を追求する民間企業に対する誤解
-
- 民間企業は「問題解決の手段」を売っている
- 「利益を追求しない仕事」を期待する公務員は「悪」
-
- 行政の事業も、民間企業の営業活動も、問題解決を提供していることは同じ
- 「利益を追求しない仕事」を求める公務員は、仕事に対する責任を負いたくないだけ
- 責任ある仕事をする公務員はどこでも働ける
-
- 民間企業の営業活動と、公務員が行う真に有益な施策には共通点がある
- 責任ある仕事をした公務員は民間企業でも活躍の可能性がある
公務員が行政の仕事を
「利益を追求しない仕事」と認識しているようでは、
「やった感じ」が出る仕事ばかりが量産され
効果的な行政は実現しません。
特別な成果がなくても「やった感じ」だけで何とかなってしまうのが公務員でもある。
ただ、そうした組織にいる自分で本当にいいのか?ということだ。
そうした非効率な組織は、
たとえ行政であっても大きな再編の対象になるかもしれませんし、
何より1人の社会人として今後も成長できるかは疑問です。
だからこそ、公務員も転職の選択肢を持つべきだ。
この記事をご覧になっている方が
「成長したい」気持ちをお持ちであれば
民間企業にチャレンジしてみることもおすすめです。
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