新卒から公務員として頑張ってきたけど成長できている実感がない・・・
民間に勤めている人の話を聞くと、取り残されているように思った経験はどの公務員にもあるだろう。
公務員として行政機関に勤務することは、社会に貢献できる貴重な経験であることは間違いありません。
行政機関は、教育、医療、福祉、経済など様々な分野において公共の利益を守り、国民・市民の安全と幸福を追求する役目を担っています。
そのため、行政機関での勤務は単なる職場としてのみではなく、社会的な意義を持つキャリアとして、多くの人々にとって魅力的な選択となっています。
しかし、スキルアップの観点では、公務員として働くことはデメリットも存在します。
この記事では、個人のスキルアップにおいて、公務員を続けることによる悪影響を解説します。
自分のスキルとキャリアの価値を見つめ直し、次のステップへと進むための選択肢を広げてみませんか?
公務員を続けることによるスキルアップに関する5つのデメリット
公務員を続けることによる、スキルアップ上のデメリットを5つ解説します。
- キャリアパスが限定される
- 最新のビジネススキル・知識の不足
- 「0→1」を作る発想の欠如
- スピード感の欠如
- 危機管理意識の欠如
公務員を続けるデメリット①:キャリアパスの限定
公務員を続けるということは、今後の労働時間を公務員としてのキャリアに投下することになります。
公務員(特に事務系総合職公務員)は、現在でもゼネラリストを育成する人事が行われています。
ゼネラリストになることは、逆に「専門性がない」人になることを意味します。
「公務員以外の仕事をするつもりは一切ない」人は問題ありませんが、公務員以外のキャリアを選択肢に含める人にとって専門性がないことは、キャリアチェンジの可能性を狭めてしまいます。
管理職の人が口をそろえて言うのが「調整はできるが専門性がない」ということだ。
公務員からのキャリアチェンジは、一般に年齢が上がるほど現在の収入を維持することが難しくなります。
30代前半くらいまでであれば、スタッフレベルでの転職でも業界の給与水準の差から年収アップすることも珍しくありません。
しかし、30代後半以降の場合、特定の分野に関するマネジメント経験が必要とされるため、色々な分野で「管理職をやってきた」では転職が難しいのです。
公務員を続けるデメリット②:最新のビジネススキル・知識の不足
公務員の業務は公共性が強く、一般に広く顕在化した社会課題等が施策の対象となります。
その裏返しとして
例えば最新のデジタルマーケティングの技術やAIの活用といった、民間企業が日々行っているような最先端のビジネススキルや知識が不足する可能性があります。
例えば、どの自治体も「DX」「DX」「DX」といっていますが、デジタイゼーション(Digitization)、デジタライゼーション(Digitalization)、デジタルトランスフォーメーション(DX)を区別できる公務員は決して多くないでしょう。
ビジネススキルや知識の不足が生じる最大の理由は「知らなくても給料が減ることはない」からです。
民間企業の場合、最新の知識を仕入れて仕事に活かさないと、競争に敗れて業績が悪化し、自分自身の給料に跳ね返ってくる可能性がゼロではありません。
一方で公務員の場合、自分の業務の範囲で必要な知識があれば仕事を回せてしまうため、業務外の知識を積極的に吸収する動機に乏しいのです。
公務員を続けるデメリット③:「0→1」を作る発想の欠如
公務員の仕事の多くは、法律や規則の下に行う必要があります。
新たに行うことになった仕事も、他部局や他自治体に先例があるもので、本当に「0から業務を立ち上げる」ことはほとんどありません。
「新規事業」と言っても、他自治体のコピーであることがほとんどなのが実情です。
その副作用として、物事を0から考え設計することが難しくなってしまいます。
公務員を続けるデメリット④:スピード感の欠如
公務員の仕事は、行政権を執行を補助することであり、何をするかは法律・規則や予算の裏付けが必要です。
法律・規則の改正及び予算編成は数日で出来ることではありません。
予算編成のスケジュールや法律・規則の改正手順は決まっており、それらは数か月~半年以上の期間に渡ります。
例えば、来年度の事業の予算編成は、前年の夏前から進んでいることが通常です。
この期間が「短い・長い」について言及はしませんが、「お役所仕事」と揶揄されるように、一般論として行政の仕事は社会一般で物事が進むスピードよりも遅いと感じられていると思われます。
公務員は、当然このスピード感に慣れている(染まっている)ため、転職等で行政機関以外で仕事をする際に物事を進めるスピードの違いにギャップを感じるかもしれません。
公務員を続けるデメリット⑤:危機管理意識の欠如
行政の仕事は、しばしば「炎上」します。
仕事で結果が重要なのはもちろんですが、昨今では結果に至るプロセスにも品行方正が重要視されています。
「重要視」とは言っても、揚げ足を取るようにやや過剰に報道されている面はあります。
行政の仕事で仮に「炎上」した場合、一時的に苦情が殺到するなど業務量が急激に増加することがありますが、給与が下がることになったりはしません。
しかし、これが民間企業の場合は、悪いイメージを与える報道は短中期的にダメージがあります。
そのため、出来る限り回避し、起こってしまった場合はダメージを最小限に食い止める必要があります。
この「炎上」に対するリスク回避の意識は、公務員の身分保障の悪影響と言って良いでしょう。
まとめ:公務員を続けるスキルアップ上のデメリット
この記事では、公務員を続けた場合の、スキルアップにおけるデメリットを5つ紹介しました。
- キャリアパスが限定される
- 最新のビジネススキル・知識の不足
- 「0→1」を作る発想の欠如
- スピード感の欠如
- 危機管理意識の欠如
「一生公務員を続けるつもり」「公務員から転職する可能性は微塵もない」という方は、これらの心配は不要です。現在の行政の人事・業務の慣習の中で努力をすることで、出世の可能性があります。
しかし、職業としての公務員の将来性に疑問を感じる方は注意が必要です。
なぜなら、上述の5つのデメリットは、民間企業へのキャリアチェンジを難しくする要素だからです。
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公務員の将来性に疑問を感じて、民間企業への転職を選択肢に含める人は珍しくありません。
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