・「強み」を見つける方法
・「強み」はどのくらいの「強さ」ならOK?
・面接での「強み」の使い方
公務員から転職しようとするとき、企業の面接を受ける必要があります。
中途採用の面接では、間違いなくこの質問がなされるでしょう。
「あなたの強みを教えてください。」
「強み」とは、仕事で活かせる「スキル・経験」のことです。
強みを聞かれて、多くの公務員は「コレ」といったものを挙げられないのではないでしょうか。
同じ業務をある程度の年数続けることができれば、業務で必要なスキル水準に自分の実力が追いついた実感が湧き、アピールし易いでしょう。
しかし現実には、数年おきの人事異動で担当する業務が変わってしまいます。
それに伴って、業務で必要とされるスキルも変わってしまいます。結果的に、中長期的なスキルアップが難しく「自分の強みは?」と自問することになるのです。
そこでこの記事では、公務員の「強み」の見つけ方を解説します。
この記事を最後まで読んでいただくと、以下のことが分かります。
この記事は、こんな方におすすめです。
・決めたわけではないが、公務員を辞めたいと思うときがある方
・公務員から転職することに興味がある方
・公務員から転職したいが自分にアピールできることが見つからない方
強みの見つけ方①:自己分析で掘り下げる
強みを見つける手段に、自分自身を振り返る「自己分析」があります。
過去の出来事や自分の志向を紙に書き出す等して整理し、特徴を分析していくことです。
技術1:仕事の「エピソード」を思い出す
仕事で「自分の能力が発揮された場面」を思い出してみましょう。
一つに絞る必要もありません。
多ければ多いほど良いです。
担当業務の制度改正、事務処理フローの修正による業務量改善、用地交渉、災害時の対応、なんでも構いません。
「場面」を基に掘り起こすのは、エピソードとともに説明することで「信ぴょう性」を持たせるためです。
「自分の能力が発揮された場面」でどんなことをしたのかを書き出してみます。
その「自分の能力が発揮された場面」での行動を小さな行動に分解して書き出します。
そのタスクの中に、自分自身が得意とするものがあるはずです。
例えば「担当業務の制度改正」を以下のとおり分解したとします。
それぞれについて、どういったところを工夫したのかを書いていきます。
その「工夫」について、一般的なビジネススキルに言い換えていきます。
・問題箇所の発見、洗い出し
⇒これまで同様の問題があったにもかかわらず、改正可能か疑う担当者がいなかった
⇒前提を疑う「批判的思考」
・改正時の諸課題の克服に向けた調整
⇒実際に規定に基づいて業務を行う出先機関職員の意見を聞いて回り、メリットデメリットを意見交換
⇒調整力、コミュニケーション能力
・改正作業
⇒公用文規定に則りつつ、分かりやすい表現を意識
⇒論理的思考、ライティング
掘り下げてきた結果、出てきたスキルに注目し、他の場面でも活かせたことはないか振り返ります。
なお、ここで出てきたスキルは、どれか1つを「強み」とするのではなく、全て「強み」とすることを目指します。
技術2:「好きな動詞」から見つける
日本を代表するマーケターと言われる森岡毅氏の著書「苦しかったときの話をしようか」から強みを見つけるワークを紹介します。
苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」 [ 森岡 毅 ] 価格:1650円 |
同著書で森岡氏は「強みはその特徴(強み)を活かせる文脈がセット」と述べています。
文脈にある「強み」を見つけるためのワークとして、「自分が行うことが好きな動詞を挙げる」ことが紹介されています。
- ① あなたが行うことが好きな動詞(動作)を付箋などに書き出す
-
- 好きなことではなく、好きな動詞(動作)を挙げる。「野球が好き」ではなく、野球を「プレーする」「ピッチャーの配球を考える」「応援する」等と動作に注目します。
- 付箋1枚につき、動詞1つを書いていきます。付箋がなければノート等に書くことでも良いです。
- 動詞は最低50以上挙げましょう。
- 重複は気にせずに書き出します。
- ② 動詞をT・C・Lに分類する
-
- 書き出した動詞を「T:Thinking」「C:Communication」「L:Leadership」に分類する。
- 「T:Thinking」は「考えることが好き」「問題を解くことが好き」など知的好奇心を満たすものが好き。
- 「C:Communication」は「人と会うことが好き」「人が集まるところに行くのが好き」など人との繋がりを持つことに価値を置いている。
- 「L:Leadership」は「自分で決めることが好き」「人を率いることが好き」など挑戦し達成感を味わうことに価値を置いている。
- ①で書き出した付箋を仕分け終えると、大抵の人はT・C・Lいずれかに集中する。その割合は「T:C:L=3:3:1」でT及びCが多い傾向がある。
- 人によっては2つの特徴が同数になる場合や、3つとも同程度に多い場合もある。
- ③ 結果を「強みの理解」と「職業選択」に生かす
-
- T、C、Lの集中したところに自分の強みがある。
- 自分が何者なのかを早く理解し、できるだけ早いうちに自分の強みを高める挑戦を意図的に行うべき。
- 就職先・職業選択では、自分の強みを活かせるまたは伸ばせる職種、配属先であることを優先する。ただし、他の軸がある場合はこの限りでない。
思考、コミュニケーション、リーダーシップは基本的かつ汎用性の高いビジネススキルです。
このワークは、強みをあまり細分化し過ぎずに、ざっくりと理解ができるのでおすすめです。
詳しく知りたいかたは、本を手に取ってみてください。
その他の章も、「一流」と呼ばれるビジネスパーソンも私たちと同じように苦労しながら仕事をしてきた記述に勇気をもらえます。
強みの見つけ方②:他の人に聞いてみる
強みを見つけるために、他者の協力を得ることも有効です。
「強み」は、自分にとって「出来てあたりまえ」「特別な意識をせずできる」ものであったりします。
そのため、自分以外の人の協力によって、自分では意識していなかったが「他の人よりは出来るかも」と思える強みが見つかることもあります。
転職エージェントとの面談で引き出してもらう
転職を念頭に置いているので、転職エージェントとの面談で見つけることも有効です。
職務経歴書の作成・添削を通じて、強みを言語化してもらうことが期待できます。
また、応募先企業の応募条件・文化に応じたアピールの仕方も相談できるでしょう。
職場の上司に聞く
もうひとつが、職場の上司に聞くことです。
ある日突然聞くと不自然極まりないので、実績評価の面談時に聞くとよいでしょう。
筆者が務めていた都道府県庁では「キャリアプランシート」というものを毎年作成し上司と面談することになっていたので、その機会を利用して聞いていました。
「キャリアプランシート」の中に「現在の強み・弱点」「今後どうしたいか」を記載する欄があったので、とぼけて「わからないんですよ~」と言って上司から引き出していました。
「強み」はどのくらいの「強さ」ならOK?
強みの程度は「偏差値で50以上」
強み(スキルや経験)はどのくらいすごいことで必要があるでしょうか。
「全国でトップを取った」といったレベルである必要はないと考えています。
「偏差値で50以上」「普通の人と同等かそれ以上には出来る」でも問題ないでしょう。
現在の職場を見回してみてください。
例えば「人前で話すのが上手い人」は、何か特別な実績を持っているでしょうか。
パソコンに詳しい人はMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)を持っていたりするでしょうか。
決してそんなことはないはずです。
それでも、確かに他の人よりも秀でている「強み」があり、戦力として仕事をこなしているはずです。
派手ではなくても、誠実に・堅実に仕事に対して貢献できる要素を見つけていきましょう。
「偏差値で50以上」「普通の人と同等かそれ以上には出来る」で良ければ、自分にもいろいろな強みが見つかるのではないでしょうか?
大切なのは「強み」を伝える「エピソード」
重要なのは、「偏差値で50以上」「普通の人と同等かそれ以上には出来る」ことについて、「強みを仕事における経験と組み合わせて、エピソードを語ることができるかどうか」です。
例えば、ロジカルシンキング(論理的思考)が「まあまあ出来る」人を考えます。
面接で「ロジカルシンキングが私の強みです。プライベートで書籍で勉強するようにしており、最近○○というロジカルシンキングに関する本を読みました。」と言う候補者がいたらどうでしょうか。
企業にとっては採用する理由にはならないでしょう。
投資本を読んだら大富豪になれそうだな。
しかし、「ロジカルシンキングを活かして新規事業案を作り事業化した。その結果、対前年比で○○となった。」と言われれば、面接官も「もっと聞いてみよう」と思うはずです。
仕事でのエピソードは本人にしか分かりません。
そのため、まずは自分で強みを掘り下げていく作業が絶対に必要です。
複数の強みを使い分ける
国家公務員試験を突破して公務員になった方は、学業もそれなりに優秀で「何でも卒なくこなせるタイプ」の方が多いと思います。
こうした方に多いのは「何でもそれなりに出来るので強みがわからない」という方です。
しかし「何でも卒なくこなせるタイプ」の方に朗報です!
それは、転職活動で「1つの強みで全ての会社を受けること」はおすすめしません。
複数の強みを使い分けることをおすすめします。
そのため、強みを見つけるときに
「自分にはコレ」
という唯一無二のものを探す必要はありません。
唯一無二の強みを探す必要がないのは、スキル・経験の「強み」は、企業ごとに評価される強みが異なるからです。
例えば福祉部局と住宅部局での「経験」は、行政を顧客にコンサルティングする会社には需要があるでしょう。
一方で、不動産ディベロッパーにとっては、福祉部局での経験自体はあまり評価ポイントにならない可能性が高いです。不動産ディベロッパーの採用面接を受ける場合は、住宅部局での経験を中心にアピールすることが良いでしょう。
このように、「強み」は応募先企業ごとに強弱をつけることが有効です。
したがって、「何でも卒なくこなせるタイプ」の方は、それだけアピールできる「強み」の数が多いのです。
まとめ:公務員の強み・特徴の見つけ方
この記事では、強みの見つけ方と使い方について解説しました。
- 【強みを見つける方法】
-
①自分で掘り下げる
・仕事の「ハイライト」を思い出す
・好きな「動詞」から見つける
②他者に聞く
・転職エージェントを利用する
・職場の上司に聞く - 【「強み」はどのくらいの「強さ」ならOK?】
-
・「自分はこれ!」という強みが無くても良い
・偏差値50以上と思えれば「強み」とする
・大事なのは「強み」と「エピソード」の組み合わせ - 【転職活動では複数の強みを使い分ける】
-
・企業、業界によって評価される強み(スキル・経験)は違う
・自己分析によって多くの「強み」「エピソード」を準備できると、企業の求める人物像に合わせた回答ができる
企業側も、公務員の仕事にどんなものがあり、どういったスキルを活用しているのか理解をできていない可能性が高いです。
そのため、強みをアピールする際には、仕事内容の説明・エピソードをセットで語ることが重要です。
面接の対策は、転職エージェントによっては親身に対応してくれるエージェントもいますので、希望する業界に専門性のあるエージェントの助けを借りてみましょう。
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